ボールペンのインクが服に付いてしまったけれど「どうやって落とせばいいのかわからない」「間違った方法でシミを広げてしまいそう」「クリーニングに出すべきか迷っている」といった状況で困ったことはありませんか。実は、インクの種類によっては自宅でもボールペンのシミを落とすことは可能です。
この記事では、油性・水性・ゲルインクなど5種類のボールペンインク別の染み抜き方法から、100均商品を活用した応急処置や染み抜きの注意点まで詳しく解説します。この記事を読んで、正しい手順でボールペンのシミを除去しましょう。
目次
ボールペンインクの染み抜き手順

ボールペンのシミを発見したら、まずは慌てずに冷静な対処が重要です。間違った方法で処理すると、シミが広がったり繊維の奥に染み込んでしまう可能性があります。あとで後悔しないためにも、以下の手順で染み抜きを実施しましょう。
インクの種類を確認
ボールペンのインクは大きく5つの種類に分類されます。油性、水性、ゲルインク、エマルジョンインク、そしてフリクションです。それぞれ成分が異なるため、染み抜きの方法も変わってきます。
最も確実な方法は、ボールペン本体に記載されている商品名をスマートフォンで検索することです。「ZEBRA サラサ」「三菱鉛筆 ジェットストリーム」といった具合に検索すれば、メーカーの公式サイトでインクの種類を確認できます。
商品名が不明な場合は、プラスチック製品(ペットボトルやクリアファイルなど)に試し書きしてみましょう。水で濡らしても落ちなければ油性、すぐに滲んだり薄くなったりすれば水性の可能性が高いです。
生地の素材を確認
染み抜きを始める前に、服の洗濯表示タグを必ずチェックしましょう。水洗い不可のマークがある場合、自宅での染み抜きは避けた方が賢明です。特にシルクやウールはタンパク質繊維のためアルカリ性の洗剤に弱く、レーヨンは水に濡れると縮みやシワになりやすいといった素材特性があります。
さらに重要なのが色落ちテストです。服の目立たない部分(内側の縫い目付近など)に、使用予定の溶剤を少量つけて5分程度待ちます。色が変わったり繊維が傷んだりしていないかを確認してから、実際の染み抜きに取り掛かりましょう。
この事前チェックを怠ると「シミは落ちたけれど服がダメになった」という悲劇を招きかねません。
染み抜きの実施
実際の染み抜き作業では、まず応急処置から始めます。乾いたティッシュやタオルでシミの周りから中心に向かって、軽く押さえるように汚れを吸い取りましょう。絶対にこすってはいけません。こすると繊維の奥にインクが入り込んでしまいます。
次に、汚れても良い布やタオルをシミの下に敷きます。インクの種類に応じた溶剤(アルコールや石鹸水など)を綿棒や布につけて、シミの裏側から軽く叩くように処理していきます。この時「トントン」とリズムよく叩くのがコツです。
処理中は定期的に下に敷いた布を確認し、インクが移っているかチェックしましょう。汚れが移らなくなったら、水でしっかりとすすいで洗濯機で通常通り洗います。
【インク別】ボールペンの染み抜き方法
インクの種類が判明したら、それぞれに適した方法で染み抜きを行います。間違ったアプローチをすると、かえってシミが定着してしまう恐れがあるでしょう。ここでは各インク別に効果的な落とし方を詳しく解説します。
【一覧表】インク別の染み抜き方法
インクの種類 | 落としやすさ | 効果的な溶剤・方法 |
---|---|---|
油性ボールペン | ★★☆ | 消毒用アルコール(エタノール) 除光液(プロピレングリコール系含有) |
水性ボールペン | ★★★ | ぬるま湯 中性洗剤または石鹸 |
ゲルインク | ★★☆ | ぬるま湯 中性洗剤(薄めた液) |
エマルジョンインク | ★☆☆ | 石鹸+ぬるま湯 → 消毒用アルコール (二段階処理が必要) |
フリクション | ★★☆ | 60度のお湯+石鹸(裏技:アイロンの熱) |
油性ボールペンの染み抜き方法
油性インクには消毒用アルコール(エタノール)または除光液が効果的です。まず汚れても良い布をシミの下に敷き、綿棒にアルコールをつけてシミの裏側から軽く叩きます。「ポンポン」とリズミカルに叩くのがコツです。
除光液を使用する場合は、できるだけプロピレングリコール系含有のものを選びましょう。アセトン系の除光液は素材によってはダメージを与えることがあるため注意が必要です。処理後はよくすすぎ、通常の洗濯を行います。頑固なシミの場合は、この工程を数回繰り返すと効果が上がります。
水性ボールペンの染み抜き方法
水性インクは比較的落としやすいのが特徴です。まずはぬるま湯でシミ部分を濡らし、中性洗剤または石鹸を直接つけて指先で優しくもみ洗いします。強くこすりすぎると繊維を傷める可能性があるため注意が必要です。
軽いシミであれば、水だけでも十分に落とせる場合があります。シミの上にペーパータオルを置き、裏側から水を含ませた布で叩くようにすると、インクがペーパータオルに移ります。この方法なら繊維への負担も最小限に抑えられるでしょう。
ゲルインクの染み抜き方法
ゲルインクは水性インクと同様の方法で対処できます。ただし、ゲルインクは粘度が高いため、時間が経つと繊維により深く浸透しやすい特性があります。発見したらできるだけ早めに処理を始めることが重要です。
まず中性洗剤を薄めた液でつまみ洗いを行い、その後ぬるま湯でしっかりとすすぎます。一度の処理で落ちない場合は、シミが完全に落ちきるまで、乾燥させずに同じ手順を根気よく繰り返してください。シミが残ったまま乾燥させると、汚れが定着してしまう恐れがあります。
エマルジョンインクの染み抜き方法
エマルジョンインクは水性と油性の混合インクのため、両方の方法を組み合わせる必要があります。まず水性成分を除去するため、石鹸とぬるま湯でつまみ洗いを行います。その後、一度服を乾燥させてから油性成分をアルコールで処理するのです。
この二段階処理がポイントで、どちらか一方だけでは完全にシミを除去できません。とはいえ、手間はかかりますが効果的な方法です。処理の順番を間違えないよう注意しながら進めましょう。
フリクションの染み抜き方法
フリクションインクは、一般的なボールペンインクと異なり、摩擦熱によって色が消える特殊なインクです。染み抜き方法も全く異なるため、混同しないよう注意しましょう。
アイロンやドライヤーの熱風を当てるとインクが透明になって目立たなくなりますが、温度が下がると再び色が戻る場合があるため、完全な除去とは言えません。
より確実な方法として、60度程度のお湯につけてから石鹸でもみ洗いする方法があります。熱でインクを薄くした状態で洗浄すると、より効果的に除去できます。冷水では効果が薄いため、必ずお湯を使用してください。
100均商品を使った染み抜きテクニック

染み抜きには特別な道具は必要ありません。100円ショップで手に入る身近なアイテムを活用すれば、コストを抑えながら効果的にシミを除去できます。ここでは具体的な商品とその使い方を紹介しましょう。
無水エタノールでの油性インク対処
100円ショップで販売されている消毒用エタノールや除菌スプレーは、油性ボールペンの染み抜きに活用できます。製品によってアルコール濃度や含まれる成分が異なるため効果は一様ではありませんが、応急処置として試す価値があります。使用方法は前述の手順と同様で、綿棒につけてシミの裏側から叩くように処理します。
ただし、アルコール系は揮発性が高く引火しやすいため、作業中は換気を十分に行い、火気の近くでの使用は絶対に避けてください。もしスプレーボトルなどに移し替える場合は、商品の表示をよく確認し、必ずアルコールに対応した材質の容器を選びましょう。
石鹸とブラシでの水性インク対処
水性インクには固形石鹸と歯ブラシの組み合わせが効果的です。100円ショップの洗濯用固形石鹸で十分な効果が得られます。シミ部分を濡らしてから石鹸を直接こすりつけ、使い古しの歯ブラシで優しくブラッシングしましょう。
歯ブラシは毛先が細かいため、繊維の奥に入り込んだインクもかき出すのに役立ちます。ただし、力を入れすぎたり、ニットやシルクなどのデリケートな生地に使用したりすると、毛羽立ちや傷みの原因になります。作業は優しく行い、不安な場合は服の目立たない部分で試してからにしましょう。処理後はぬるま湯でしっかりとすすぎ、石鹸成分を完全に除去してください。
あて布とタオルの効果的な使い方
染み抜きの成功を左右するのが、あて布とタオルの使い方です。100円ショップのフェイスタオルや薄手のハンドタオルを数枚用意しておくと便利ですが、予期せぬ色移りを防ぐため、必ず白いものや色の薄いものを選びましょう。シミの下に敷く布は、インクを吸い取る役割を果たします。
タオルは定期的に位置をずらすか、新しいものに交換することが重要です。同じ箇所に汚れが溜まり続けると、逆戻りしてしまう可能性があります。実のところ、この地道な作業こそが染み抜き成功の秘訣なのです。
ボールペンインク染み抜き時の注意点

染み抜きを行う際は、いくつかの重要な注意点があります。これらを守らないと、シミが落ちないどころか服を傷めてしまう可能性があるのです。安全で効果的な染み抜きのため、以下のポイントを抑えるようにしましょう。
服の洗濯表示を必ず確認

洗濯表示タグは服のケア方法を示す重要な情報源です。水洗い不可のマークがある場合、自宅での染み抜きは諦めてクリーニング店に相談しましょう。特にドライクリーニング専用の服に水系の処理を行うと、縮みや型崩れの原因となります。
また、洗濯表示は家庭で使用する溶剤(アルコールや除光液など)について直接規定しているわけではありません。しかし、漂白剤に弱いデリケートな服は、溶剤によっても色落ちや生地の傷みが起こる可能性があるため、次のステップである「色落ちテスト」がより一層重要になります。高級ブランドの服や大切な思い出の品は、無理をせずクリーニングに出す判断も大切です。
色落ちテストを事前に実施
染み抜き作業を始める前に、必ず色落ちテストを行いましょう。服の内側や縫い目など目立たない部分に、使用予定の溶剤を少量つけて5〜10分待ちます。変色や色あせが見られた場合は、その溶剤の使用を中止してください。
特に色の濃い服や柄物の場合、色落ちのリスクが高くなります。とはいえ、このテストを怠って「シミは落ちたけれど服の色も落ちた」という事態は避けたいものです。面倒でも必ず実施しましょう。
こすらず叩いて汚れを移す
染み抜きの基本は「こすらず叩く」ことです。ついつい力を入れてゴシゴシこすりたくなりますが、これは絶対にNGです。こすると汚れが繊維の奥に押し込まれ、かえって落ちにくくなってしまいます。
正しい方法は、下にあて布を敷いて上から軽く叩くように処理することです。「トントン」という音が聞こえる程度の軽い力で十分でしょう。汚れがあて布に移っているのを確認しながら、根気よく続けることが成功への近道です。
時間経過したシミには限界がある
残念ながら、時間が経過したシミほど落とすのが困難になります。特に24時間以上経ったシミは、インクが繊維に深く浸透して除去が難しくなるのです。1週間以上経過したものは、家庭での染み抜きではほぼ不可能と考えた方が良いでしょう。
ただし、完全に諦める必要はありません。薄くすることは可能な場合が多いため、まずは試してみる価値があります。それでも満足のいく結果が得られない場合は、プロのクリーニング店に相談することをおすすめします。
クリーニング会社への染み抜き依頼

自宅での染み抜きに限界を感じた場合、クリーニング会社への依頼を検討しましょう。特に高価な服やデリケートな素材の場合、最初から専門家に任せる方が安全で確実です。
自宅で落ちない場合の判断基準
以下の条件に当てはまる場合は、クリーニング店への依頼を検討することをおすすめします。まず、シルクやウールなど水洗い不可の素材である場合です。また、色落ちテストで変色が確認された場合も、自宅での処理は避けた方が賢明でしょう。
さらに、シミの範囲が5cm以上と広範囲にわたる場合や、複数箇所にインクが飛び散っている場合も、プロの技術が必要です。1週間以上経過した古いシミについても、家庭用の道具では限界があります。
クリーニング店での染み抜き料金相場
一般的なクリーニング店での染み抜き料金は、シミ1箇所あたり500円から1,500円程度が相場です。ただし、シミの大きさや種類、服の素材によって料金は変動します。特殊な溶剤や技術が必要な場合は、3,000円以上かかることもあるでしょう。
事前に料金を確認し、服の購入価格と比較して判断することが重要です。高級ブランドの服であれば多少高額でも依頼する価値がありますが、プチプラの服であれば買い替えを検討した方が経済的な場合もあります。
「せんたく便」なら染み抜き無料!
宅配クリーニングサービスの「せんたく便」では、追加料金なしで染み抜きサービスを提供しています。店舗に足を運ぶ必要がなく、自宅から簡単に依頼できるのが大きなメリットです。
ただし、すべてのシミが完全に落とせるわけではなく、素材や汚れの程度によっては対応できない場合もあります。依頼前に電話やメールで相談し、対応可能かどうか確認することをおすすめします。宅配の往復送料込みで利用できるため、近くにクリーニング店がない地域の方には特に便利でしょう。
まとめ:ボールペンインクの染み抜きは専門家へ依頼!
ボールペンのシミは、インクの種類を正しく見分けて適切な方法で処理すれば、自宅でも効果的に除去できることがわかりました。油性インクにはアルコールや除光液、水性インクには石鹸とぬるま湯が有効です。100円ショップの商品も工夫次第で活用できるため、コストを抑えながら対処することも可能です。
ただし、デリケートな素材や時間が経過したシミ、広範囲の汚れについては、無理をせずクリーニングに出す判断も大切です。宅配クリーニングとして15年以上の実績を持つ「せんたく便」も選択肢の一つとして検討してみてください。
最も重要なのは、シミを発見したらすぐに対処することです。時間との勝負という側面もあるため、正しい知識を身につけて迅速に行動しましょう。お気に入りの服を長く愛用するためにも、今回紹介した方法をぜひ活用してください。
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